- HOME
- CADオペレーターに必要なスキルや能力
今や設計図面を作成する際に、欠かせない存在となっているCAD(キャド)。 そしてCADソフトを使用して図面作成の作業を専門に行う人のことをCADオペレーターといいます。
図面を手描きしている時代は「ドラフター」と呼ばれていて、ラフ図面を清書する仕事をしていました。
CADとは「Computer Aided Design」の略称で、コンピューター上で設計・製図ができるソフトのことを指します。 CADは開発されたばかりの頃は、航空機やの設計に使われることが殆どでしたが、今では自動車の製造や建築、服飾など様々な業界で使用されています。
現在はそれぞれの分野に特化した機能を備えたソフトが販売されており、大きくは機械系CADや建築系CADといった分類ができます。 さらに建築系の中でも在来木造に特化したソフトや3Dで外観・内観のレンダリングができるソフトなど様々あります。 今回は建築業界で主に使用されている建築系の汎用CADソフトであるAuto-CAD、Jw-CAD、VectorWorksの3つについてご説明します。 汎用CADソフトとは、どの用途にも使えるCADという意味で、簡単に言うと線を引いたり図形を描いたりする機械です。
■Auto-CADAuto-CADに次いでシェア率が高いCADソフトがJw-cadです。 フリーソフトですが、建築系の汎用CADとしては十分な機能を持っており、一般的な建築図面を作成するには全く問題ありません。 小規模な設計事務所や建設会社・工務店などはこのCADを使用していることが多いかと思います。 ネットで無料ダウンロードが可能で、導入しやすいのも魅力です。 関連書籍も数多く出版されていますし、Youtubeでも解説動画が色々ありますので独学でマスターすることも可能です。 これからCADオペレーターの仕事を目指す方にとっては練習しておいて損はないソフトかと思います。
■VectorWorks
建築業界において今後さらに活躍が期待されるCADオペレーター。 それでは、建築業界で働くCADオペレーターの業務内容を詳しくみていきましょう。
CADによる製図作業は、直線や円、多角形、トリミングなどの各種作図ツールを用いて間取りを作成し、そこに既に完成しているオブジェクトを配置していく、という流れで進みます。 2D-CADの場合は、様々な方向から見た平面的な図面でひとつの建物を表現していきまずが、3D-CADの場合は、平面的な情報に高さ情報を追加で入力して、立体的な図形として建築物を表現します。 これまでCADオペレーターの仕事は、手描きのラフ図面を元に、CADに正確な寸法値を入力する、という作業が大部分を占めていました。 つまり、アナログな図面をデジタル図面としてトレースするという業務です。
しかし最近はCADの操作に熟練した建築士が設計の中心になっているため、建築士が直接CADを使用して平面図を作成することが増えてきました。 そのため、おおまかな設計図の作成は建築士が行い、図面の編集や修正業務、平面図の情報を読み取り断面図や展開図を作成する業務をCADオペレーターが担うという形が主流になってきています。 CADオペレーターには設計に関する細部の理解は求められていませんが、常に完成した素面をイメージしながら作業を進める能力は不可欠です。
こういった点からも、建築系のCADオペレーターにはある程度の建築の知識が必要であると言えるでしょう。 CADオペレーターは場合によっては建築士との打ち合わせ以外にも、依頼主から直接要望を聞く機会があったり、一般事務の業務を兼務することも多いです。それでは、建築系のCADオペレーターにはどのような人が向いているのでしょうか。続いてはCADオペレーターに向いている性格や性質をみていきましょう。正確で几帳面な性格の人
CADオペレーターには、パソコンと向き合い地道な作業をコツコツ進める集中力が求められます。 また建築系のCADオペレーターには、正確な図面を作成するため、緻密な作業を行う必要があります。 図面同士の整合性を細部に亘るまで確認し、質の高い仕事ができる人が向いていると言えるでしょう。
■ものづくりに興味がある人
CADオペレーターの業務に携わる上では「ものづくりが好き」という気持ちは非常に重要なものになります。
建築図面に描かれた建築物の完成形をイメージしながら建築士と打合せを重ねて自発的に仕事を進めることで、作業効率が上がり図面の出来も良いものとなります。
建築に関する知識をインプットする姿勢を忘れず、業界の動向にも注目していくことも大切です。
建築物は実際に施工が開始された後も、思いがけないトラブルが発生して、設計図面の変更を求められることがあります。 そういった場合は、建築士や現場の施工管理者の意向を汲み取り、素早く設計図面の修正を行う必要があります。 このような点から、CADオペレーターにはスピーディーに作業を進められる能力も重要だと言えるでしょう。
■コミュニケーション能力が高い人建築士が意図した通りに製図作業を進めるためには、建築士と綿密にコミュニケーションを取ることが必要不可欠です。 疑問点がある場合には、積極的に建築士と意思疎通を図るようにし、自分だけで判断する前に建築士と確認の機会を設けるようにすることも大切です。 そのような場合、コミュニケーション能力の高い方が仕事を円滑に行う事ができるでしょう。
その他にも地道な作業が好きな方、コミュニケーションを取ることが好きな方にも向いています。設計士・デザイナーなどの指示をきちんと理解し確認する必要がありますので、コミュニケーション能力は最も重要です。コミュニケーションを取ることで、仕事をスムーズに進めることができます。
CADオペレーターになるための最も一般的な方法は、専門学校に通ったり、参考書を見ながら独学でCADを使った製図の技術を身に付けることです。 専門学校に通ったり通信講座を利用する場合は、費用はかかりますが体系的にCADの使用方法を学べること、分からない点があれば講師に相談ができること、そして実際の業務で使用するスキルが習得できるという点が魅力です。 独学で学ぶ場合は、自分のペースで学習を進めることができ、ネットで無料ダウンロードが可能ななどソフトを使用して、気軽に学習を始めることができるというメリットがあります。 インターネットなどで情報を仕入れ、自分に合った学習方法を探してみましょう。
■企業に就職してからスキルを身に付けるCADオペレーターは資格が必須の仕事ではないため、未経験採用を行っている建築関連企業に就職して経験を積み、スキルを高めていくという方法もあります。 現場で実際に様々な製図作業に携わり、建築士とコミュニケーションを取りながら業務を進めることが可能なので、専門学校や独学で学ぶよりもより実践的なスキルを習得できるというメリットがあります。 現場で経験を積むことで、より早くCADオペレーターとして活躍することができるはずです。
いかがでしょうか? 建築業界で今後ますます需要が増加すると予想されるCADオペレーター。 建築業界での就職を目指される方は、是非積極的にCADのスキルを身に付けていくとよいでしょう。
CADオペレーターに就職・転職を考えている方は、アイジスをぜひご活用ください。アイジスは全国を対象に、建築・インテリア・住宅業界に特化した求人情報サイトです。職種や地域だけでなく、派遣社員・アルバイト・正社員・契約社員など雇用形態で求人情報を検索することも可能です。