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建築士の仕事で苦労する事・大変な事は?

2022-06-14

一見華やかな建築士の仕事の苦労とは?

建築士の主な業務は、法律に基づいて様々な建築物の設計や工事の監理監督を行うことです。
住宅やマンション・ビルといった色々な建物の設計図を作成し、その設計を基に建築現場で指揮監督などの業務にあたります。

建築士の仕事は、自分のアイデアがそのまま形として残り、社会的な責任も大きく、やりがいのある魅力的な仕事であると言えます。
しかし、やりがいが大きな分、実際の業務においては苦労も多い仕事です。
今回は建築士の業務のうち、大変なことや苦労することにはどのようなものが挙げられるのかをみていきましょう。

予算とデザイン性、安全性の板挟みに・・・

建築士に依頼が入る設計案件の中でも最も件数が多いものが、戸建住宅の設計です。
一生に一度の大きな買い物であるマイホーム。
依頼主は様々な夢や希望を持って、建築士に依頼をします。
例えば「木のぬくもりを感じられる家にしたい」「リビングの天井は高く、開放感がある雰囲気に仕上げたい」など、依頼主は間取りやデザインに様々な理想を持っています。
しかし、予算との兼ね合いで諦めざるを得ないことが多くある、というのが現状です。
また、日本では地震が多いため耐震性が重視され、安全性の面から断念せざるを得ない場合もあります。
依頼主は建築の素人であるため、建築士の説明が理解できず、納得してもらうのが難しい場合も多くあります。
建築士は依頼主の希望と現実の間で、ジレンマに悩まされることも少なくないようです。

締切に追われる

少人数のスタッフで運営される建築事務所で最も苦労する点が、締め切り前の追い込み作業です。
建築物の設計の依頼には必ず締切が設定されており、それに間に合わなければ信用に関わります。
小さな建築事務所にとっては信用を失うことは命取りです。
一度信用を失ってしまえば、次回からの仕事の依頼がぱたりと途絶えてしまします。
特にいくつもの締め切りが重なったり、依頼主に納得してもらえずやり直しを余儀なくされる場合は、深夜までの作業が連日続くこともあります。
心身ともに追い込まれ、体調を崩す建築士も決して少なくはありません。
無理のないスケジュールを立て、意識して身心の健康を保つことが建築士にとって大切なことであると言えます。

実力がなければ生き残れない

令和2年の建築士登録状況によれば、建築業界で難関資格とされる1級建築士ですら、全国で約37万人の登録があります。
建築士の世界は、実はとてもシビアです。
建築士資格を取得しただけではスタートラインに立ったに過ぎず、就職すら難しいというのが実情です。
センスを磨き、独自性のあるアイデアを打ち出し、さらに勉強を重ねなくては生き残っていくことはできないのです。
このように見ていくと、建築士を目指すには相当の覚悟が必要なことがわかるはずです。
建築士の資格を取得後に挫折し、他業種に転職する人も後を絶ちません。
建築士資格を取得した後も現状に満足せず、常に勉強を続けていくという姿勢がなければ、生き残っていくのは難しいでしょう。

理想の仕事に就くことが難しい

建築業界の最難関資格である1級建築士の資格を取得しても、なかなか理想の仕事に就けないというのが現実です。
建築士資格を所持していることで優遇して採用してくれる会社があるのは事実ですが、しかしそういった会社に入社したからと言って設計の仕事ばかりを任せて貰えるかというとそういうわけでもありません。気付いたら簡単な事務仕事ばかりをしているという話も珍しくはありません。
こうなってくると「せっかく建築士の資格を取ったのに意味がないのではないか」「建築士として活躍したかったのにこんなはずではなかった」と考える人も出てきます。
インテリア・建築業界の中でも、最も設計の仕事をさせてもらいやすいのがハウスメーカーですが、ここでも望み通りに設計の仕事ばかりできる人はほんの一握りです。
設計の仕事をコンスタントに任せて貰うためには、常にお客様が満足するような設計図を指定の予算内で作成し続ける努力が必要です。
そのためには、デザインや機能性といった様々な分野で流行を常に把握し続ける必要があり、通常の業務に加えて業務終了後も勉強を続けなければなりません。
そういった点からも、建築士という仕事に熱意を向けていないと、続けていくのは難しいといえるでしょう。
建築士資格を保持していても実際に建築士として仕事をし続けたいのであれば、日々の努力が欠かせないと言えるでしょう。

図面の作成

建築士として何年も実績を積んでいたとしても、やはり図面の作成は大変なもの。
経験と共に様々な業務を経験したベテランであっても、担当する建築物の規模が大きくなればなる程、何十枚もの図面が必要となり、書いても書いても終わらず、徹夜で仕事をしなければならない状態が起こりえるのです。
図面の数が膨大になったとしても、その一枚一枚に緻密な描写が求められることに変わりはなく、その労力は計り知れません。
近年は図面がCADで描かれるようになったため、以前に比べると図面を描く効率は格段に上がりました。
しかしその分、今まで描くことがなかった種類の図面を描くケースが増えてきたため、同じ規模の建築物でも描く枚数が増えました。
製図をする上での一枚あたりの労力は軽減されましたが、総合的に考えると仕事量が増えたと言うことができます。

難しいお客様のアフターフォロー

お客様が気難しい方の場合は、アフターフォローも大変です。
お客様と打ち合せを重ね、納得してもらいながら設計を進めて家を作ったはずなのに、引き渡し後にクレームめいたことを言われることもあります。
引渡し後に色々なことを言われても仕方がないため、何とか納得してもらえるように話すのですが、それが一苦労。
また同じ展示場で建売住宅の見学会を行うと、以前家を購入されたお客様が見学に来られて、「こんなにいい機能があるとは知らなかった」など、購入した家には無いグレードの良いものを探しては、文句を言われることもあります。
家は一生に一度か二度の大きな買い物なので文句を言いたくなる気持ちは理解できますが、最終的に決断をしたのはご自身なので、納得して頂きたいところです。
しかしそれが難しい時もあることを、覚えておきましょう。

建築士を辞める際の最も多い理由とは?

建築士を辞める理由の中でも最も多いのが、理想と現実との間に大きなギャップを感じてしまったケースです。
勤務先によって事情は様々ですが、多くのハウスメーカーや設計事務所では作業効率を高めたり、特定の分野に偏った案件を受注する場合が多いため、手がける案件が変わり映えのしないものになるという場合が殆どです。
自分自身のオリジナリティを生かして自由な設計をしたいと考えていた人にとっては、ルーティンワークが多い実際の職場での仕事内容に、理想とのギャップを感じてしまうケースもあります。
また、一級建築士などはかなり難易度が高い資格である割は、給与などの待遇面に反映されてないという点も離職率を高めていると言えます。
携わっている設計にこだわればこだわるほど重労働になりますし、マニュアルがあり作業がルーティン化すればするほど給与などの待遇は良くなる傾向にあるため、仕事内容と待遇面のジレンマに悩む人が多い実情があります。

建築士の様々な働き方を知ろう

理想とのギャップが埋められるずに離職を考えている方も多い建築士の業界。
しかし様々な働き方があるのも事実なので、業界を離れる前に転職を考えてみるのも良いでしょう。

設計事務所

設計事務所には、少数精鋭で運営されている個人事務所の他、全国に展開している大手設計事務所など様々な形態があります。
個人事務所は、住宅やマンション、学校や店舗など、得意分野を活かして運営していることが殆どです。
それに対して全国に展開している大手の設計事務所は、様々な種類の建築物を手掛けています。
設計事務所の求人情報を見てみると、大手企業に関しては中途採用の場合は「一級及び二級建築士、または木造建築士の資格保持者」という応募条件が記載されています。
個人事務所の場合だと「建築系の学部や学科出身者」や「建築士の資格保持者」という条件で募集されている場合が殆どです。
設計事務所の中途採用に応募する場合は建築士資格の保持が必須となるため、建築士資格を所持した上で転職活動を行うと良いでしょう。

ゼネコンの設計部署

ゼネコンに勤務する場合、基本的な仕事は自社の案件の設計です。
対象となる建築物は、住宅やマンション、ビルや店舗など多岐にわたります。
ゼネコンと設計事務所との大きな違いとして、「意匠設計」を重視するか否かという点が挙げられます。
ゼネコンで手掛ける建築物は堅実な施工を重視している場合が多いため、意匠設計を積極的に手掛けたい場合は、設計事務所に勤務することがおススメです。

住宅メーカー

住宅メーカーには全国に展開している大企業から、その地域に密着した建築を行う企業まで様々な企業があります。
全国展開している大手住宅メーカーの場合は、設計やCAD、積算など、いくつかの部署に分かれている事もあります。
採用に関してはそこまで条件は厳しくなく、学歴が高卒でもOKな場合や、資格を持っていなくても設計に関する業務経験があればOKという求人もあります。
設計事務所やゼネコンと比較すると、就職へのハードルは低いと言えそうです。

工務店

一口に工務店と言っても、会社の規模は様々です。
例えば、大手ゼネコンの竹中工務店は、工務店と付いていても全国展開する大企業です。
しかし主に工務店と言えば、地域密着型の小規模な会社が殆どだと言えるでしょう。
工務店は、直接お客様から依頼を受けて設計や施工するだけではなく、住宅メーカーやゼネコンの下請けとして案件を受注する場合もあります。
工務店に就職するメリットは、地域に様々な貢献ができるという点です。
しかし工務店の多くは小規模経営なので、就職に関して言うならば空きがあることも少なく、求人情報を目にしたらできるだけ早く応募するようにした方が良いでしょう。

建築士の仕事は苦労も多いもののやりがいも◎

一見華やかに見えますが、苦労も多い建築士の仕事。
しかし自身が設計した建築物が完成した時の喜びはひとしおです。
様々な働き方に目を向けて、自分に適した職場で実力を発揮するようにしましょう。

インテリア業界の仕事01 「インテリアコーディネーターとして働くには?」

2017-01-25

インテリアコーディネーターは、住宅や商業施設など様々な
クライアントに対して、インテリアに関するアドバイスをする
仕事です。
華やかなイメージから、若い女性に人気の職種でもありますが、
今回は、そんなインテリアコーディネーターの仕事に就くには
どうすれば良いのかについて、みていきましょう。

 

①資格取得→関連企業に就職、が王道ルート

実は、インテリアに関する業務を行うのに特に資格は
必要ありません。
インテリアコーディネーター資格は、インテリア産業協会が
設けた民間資格であり、インテリアコーディネーターの仕事に
携わるための絶対条件ではないのです。
しかし、インテリアコーディネーター試験の合格率は、例年
20%~30%となっており、決して簡単なものではありません。
そのため、絶対必要ではないにしても資格を保持しておけば、
インテリア業界での就職にはプラスとなります。
②難関の一次試験

インテリアコーディネーター資格試験は、一次と二次があり、
一次試験の難易度が特に高く、約70%の受験者がここで脱落します。
試験内容も、インテリアコーディネーターの仕事に関することから、
インテリア産業の発展の過程や二級建築士資格試験と同程度の
建築知識に至るまで、建築・インテリアに関する幅広い知識が
求められるのです。
学校に通ったり通信教育を利用する人もおり、社会人が働きながら
資格を取得するには、相当の熱意が必要だと言えます。
③有資格者でも実務経験なしがネックに

異業種からの転職者も多いインテリアコーディネーターの仕事。
しかし社会人の場合、難関を突破してインテリアコーディネーターの
資格を取得したとしても、実務経験がなければ正社員としての就業が
難しいのが実情です。
そのため、まずはアルバイトや派遣社員として経験を積み、その後
正社員としての就職を目指すのも良いでしょう。
次回は、インテリアコーディネーターの具体的な仕事内容について
見ていきましょう。

建築業界の仕事(7)「女性建築士の現状は?」

2017-01-18

従来、建築士というと「男性の仕事」というイメージが強く、
女性にとっては敷居が高い世界でした。
しかし平成27年の2級建築士資格試験の合格者の男女比は
男性が約65%、女性が約35%となっており、女性合格者が
全体の約3分の1を占める結果に。

また、世界を舞台に仕事をする女性建築家も増えてきており、
女性の活躍が顕著です
そこで今回は、女性建築士の現状について、みていきます。

 

●女性ならではの感性や視点が強み

女性建築士が増えている理由のひとつに、女性ならではの感性や視点が
評価されていることが挙げられます。
建築士への依頼のなかでも最も多い戸建住宅の設計です。
戸建住宅の設計においては、日々家事や育児に励む女性にとって、
いかに機能的で居心地の良い空間であるかが大切です。
そういった点から考えると、実際に「現役妻やママ」であることも多い
女性建築家の方が、家事をスムーズに行うための導線の作りや、使い
やすいキッチンの構造などを身を以て知っています。
また、同じ立場である女性の声に、親身になって耳をかたむけてくれる
のも多いでしょう。
こういった女性ならではの視点や感性が生きることで、デザイン性だけ
でなく、機能性の高く過ごしやすい住宅が完成するのです。

 

●きめ細やかな対応力

女性建築士が求められるもうひとつの理由が、きめ細やかで丁寧な対応力です。
もちろん、男性でも丁寧な仕事をする建築士はたくさんいます。
しかし些細なことに気が付いたり、丁寧な心配りという面は、女性の方が
得意とするところです。
また、女性ならではの柔らかい雰囲気は「こんなことを聞いたら怒られるかも」
というような些細な疑問も相談しやすく、実際に工務店の男性スタッフや大工
さんになかなか分かってもらえなかったイメージもすぐに察して貰えて非常に
助かったといったクライアントの声もたくさん聞かれます。
女性ならではきめ細やかな配慮は、依頼主の満足度に大きな影響を与えるもの
なのです。

いかがでしょうか?
他の職種であればマイナスになりがちな結婚や出産でのブランクも、
建築士という職業においては、仕事の幅を広げることにつながります。

次回は建築士の仕事の将来性について、みていきましょう。

建築業界の仕事(5)「建築士の仕事のやりがいって何?」

2016-12-25

住宅やホテル、博物館や図書館など、街にある建築物はすべて、
建築士によって設計され、形になったものです。
あらゆる街の情景は、建築士がいなければ成り立ちません。
建築士は、それだけやりがいに溢れた仕事だと言えます。
今回はそんな建築士のやりがいや魅力について詳しくみて
いきましょう。

●建築依頼主の夢に寄り添う

クライアントの依頼で一番多いのが、マイホームの設計です。
マイホームは一生に一度の大きな買い物ですから、依頼主の
夢や希望が詰まっています。彼らは建築士を信頼し、
自分たちの理想やこだわりなどを伝えてくるはずです。
建築士は依頼主の希望を、自らのアイデアによって具体的な
形に変えていきます。
理想と現実の折り合いをつけることは一筋縄ではいきません。
しかし、それを乗り越えて依頼主に満足してもらえる住宅を
完成させれば、心からの感謝の言葉に出会えるはずです。
建築士は自分の知識ひとつで、人を笑顔にすることができる
仕事なのです。

 

●無から建築物を造る喜び

どんなデザインも、最初は建築士の頭の中にしか存在しません。
「このような構造にすれば、利用する人が寛げる空間になる」とか、
「スペースをこのように使えば、より開放的なリビングになる」とか、
自分の思いを建築物に込めることができるのも、無からもの造りに
携わる建築士の仕事の醍醐味です。
そのような思いが、多くの人の手によって実際に建設されるのを
目にするのは、何度経験しても楽しいものです。
そのワクワク感が「もっといいものを生み出そう」という意欲に
繋がります。デザインには正解がないからこそ、建築士は楽しみ
ながら頭をひねり、新しいものを追及していきます。

 

●街づくりという重要な役割を担う

冒頭で述べたように、都市や街のあらゆる建築物は、建築士の図面を
もとに生み出されます。建築士の仕事は手がける建築物を通して、
人の流れまで変えることができる、社会的に重要な役割を担うもの
なのです。
特に市民ホールや図書館、博物館などの公共施設に携わる場合は、
設計次第でその地域に住む人の憩いの場となるなど、街の活性化に
繋がることもあり得ます。
建築士は、建物が建つ街全体に大きな影響力を持つ仕事だと言える
でしょう。

 

いかがでしょうか?
このようにして建築士が生み出した建築物は、何十年もの間、人々の
暮らしに寄り添っていきます。
新しいものが生まれては消えていく世の中で、それは大きな魅力です。
たくさんのやりがいがある仕事ですが、もちろん大変なことも多くあります。

次回は、建築士の仕事の苦労についてみていきます。

建築業界の仕事(4)「建築士に向いているのは、どんな人?」 

2016-12-20

建築士に必要な適性とは・・・

建築士は資格を取得してもなお、たゆまぬ努力が必要な仕事だといえます。
それでは、どんな性質の人が建築士に向いているのでしょうか。
今回は建築士の適性についてお話したいと思います。

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●美術的センスがある人

建築士の仕事をする上で最も求められるのは、美術的なセンスです。
建築物の造形や内装や外装、カラーリングなど、ディティールに至る
までのすべてが、建築士の腕一つに委ねられると言っても過言では
ありません。
センスというと持って生まれたものと思われがちですが、努力に
よっていくらでも磨くことができます。
過去~現在に至るまでの様々な建築物はもちろん、絵画や彫刻など
様々な芸術や哲学に触れることで感性は研ぎ澄まされてゆきます。
大切なのは、貪欲に知識を吸収しようとする姿勢です。

●数学や物理など、理系科目が得意な人

建築士の仕事には、色々な理系の知識が求められます。
構造力学は、建築物の安全性を確保する上で欠かせないものですし、
塗料や資材との関連で化学にも精通していなくてはなりません。
その他、地学や生物学などを熟知している必要もあります。
こういった幅広い学問への関心が高いことも、建築士には欠かせない
要素です。

●コミュニケーション能力が高い人

建築士は、室内にこもって製図をすることだけが仕事ではありません。
依頼主や施工業者と話し合いを重ねながら、より良い建築物を目指して
いくことも、建築士の欠かせない仕事の1つです。
そのためには、依頼主の希望を上手に聞きだしたり、施工業者とスムーズに
打合せを進めるコミュニケーション能力が不可欠です。
そういった意味では、人と関わるのが好きな人は、建築士に向いているでしょう。

●正義感が強く、社会的モラルが高い人

2005年、一級建築士が構造計算書を改ざんし、耐震性を偽装していた
ニュースがセンセーショナルに報じられました。
建築物は社会性を有するものだけに、建築士には社会的責任感も強く
要求されます。
地震が多発する日本では、耐震性を始めとした建築物の安全性の確保は
欠かせません。
建築士は建築業界の中核的存在として、強い倫理観を持って仕事に臨める
人でなくてはなりません。

いかがでしょうか?
こうやって見ていくと、社会の役に立ちたいと心から思える人こそ、
建築士向いているといえるかもしれません。
次回は、建築士の仕事のやりがいと苦労について解説していきます。

建築業界の仕事(1)「建築士はどんな仕事をしているの?」  

2016-11-30

戸建て住宅から高層ビル、公共施設や商業施設まで、日常生活で
目に入るものの殆どが建築物といっても過言ではないでしょう。
そんな建築物をつくる仕事の中心にいるのが建築士です。

しかし、建築士と一言でいっても実際は様々な仕事内容がありますので、
今回はそのあたりを少し整理していきたいと思います。

設計図イメージ

●建築士の仕事は「設計」と「監理」

建築士の仕事は大きく「設計」と「監理」の2つに分けられます。

まずひとつ目の「設計」は、依頼主の必要としている建築物を
具体的化する作業です。
依頼主から建築の目的や用途・必要な機能や性能などをヒアリングし、
それを整理した上で、平面プランから高さ方向の断面プラン、外観の
意匠プランを作っていきます。

この段階は、一般的に企画設計とよばれ、次に説明する実施設計と
区別されます。
その実施設計は、提案したプランを依頼主が了解した後、実際に
建築するために必要な設計作業のことで、各部分の詳細な図面を
描いて施工会社に引き継ぎます。

そしてもうひとつの「監理」とは、実際の建築物の品質や仕上がりを
設計通りに実現するための作業で、工事が図面の指示通りに行われて
いるか、寸法などの精度が出ているかを現場で確認し、状況に応じて
修正や変更を行い完成までクオリティのコントロールをする仕事です。

個人が建てるマイホームはもちろん、企業が建設するオフィスビルで
あっても、依頼主にはデザインや内装に対する夢やこだわりがあります。
依頼主と話し合いを重ねながら、そういった希望を実現するための
アイデアを提供し、時には安全性や予算にも配慮しながら、具体的に
計画を立てていくのが建築士の大切な仕事です。

そして図面が完成したら、工事が計画通りにきちんと行われているかを、
設計者の立場から確認することも重要な業務です。
工事が正しく行われていない場合は、施工者に注意を喚起し、指示に
従わない場合は、依頼主に報告します。
施工者が建築費を安く上げて不当な利益を得たり、手抜き工事などの
不正を防ぐことも、建築士に求められる役割なのです。

それでは、建築士を目指すにはどういった方法があるのか、
次回はそのあたりを具体的にお話ししたいと思います。

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