基本的な建築図面の種類と役割をご紹介!

2022-01-28

建築図面と一口に言っても、その種類は多岐に亘り図面の目的も様々です。
設計者は敷地に建物を設計する際、施主や工事を請負う施工業者、そして市役所や消防などの確認検査機関等など様々な人に伝わり易い図面を作成する必要があります。
今回は建築図面の主な役割とその種類についてみていきましょう。

そもそも建築図面とはどんなもの?

建築図面とは設計図とも呼ばれ、施主、設計者、施工管理者の間でどのようなうな住宅や建物を建築するのかという認識を共有し、意思疎通を図るための重要な方法となります。
建築図面は大きく分けて、「基本設計図」、「実施設計図」、「施工図」等があり、そこからさらに細かく分類されています。

基本設計図・実施設計図・施工図の違いを知ろう

「基本設計図」、「実施設計図」、「施工図」にはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。

「基本設計図」とは?

「基本設計図」とは、建築基準法規制などの条件を加味しながら施主が希望する間取り、構造、材料、設備など建物の基礎的となるものを図面化したものです。
一般的には、建築の予備知識がない施主に図面を理解してもらうという目的で作成されます。
施工が始まった後では変更することが困難になるため、この段階で設計者は施主と十分に話し合い、設計内容を理解してもらえるように努めます。
特に施主に建築法規に基づいた制限や条件を説明し、納得してもらう事が非常に重要になります。
話し合う内容に関しては、近隣の環境、敷地の立地条件、地盤の状況、建物の使用目的や規模、耐用年数、建物の仕様、収支計画、敷地の立地条件、地盤の状況、などが挙げられます。
これらの調整が済むと「平面図」、「立面図」、「断面図」、「矩計図(かなばかりず)」、「計画説明書」、「配置図」、「外構・主要部分の展開図」などや「電気・給排水などの設備計画概要書」などが作成されて、「実施設計図」の作成に移ることになります。

「実施設計図」には様々な種類がある

「基本設計図」が作成されると、次は建設会社や工務店に工事を発注するための「実施設計図」の作成に移ります。
「実施設計図」は大きく分けて「意匠図」、「構造図」、「設備図」の3種類があり、そこからさらに細分化されています。
「意匠図」とは建築物の形状や全体構造、空間、間取り、意匠(デザイン)、仕様関係などを記入する図面です。
「意匠図」には、主なものだけでも「平面図」、「断面図」、「立面図」、「矩計図(かなばかりず)」、「天井伏図」、「展開図」、「平面詳細図」、「配管図」などが挙げられ、詳細な図面が作成されます。
「構造図」は建築物の柱や梁など建物の構造部材を示す図面で、安全性に関わります。
「設備図」は照明やコンセントなどの電気配線、給排水やガス管などの配管・配線図のことで、各設備の位置や数などを示した図面です。

「施工図」とは?

「竣工図」とは工事において、現場で施工担当者が実際に作業するために必要となる図面です。
設計者は「竣工図」において、寸法や器具の個数、配線ルートを記載し、各作業エリアごとに施工図を作成する必要があり、
「平面詳細図」、「躯体図」、「総合図」などの種類に分けられています。
「平面詳細図」は平面図の縮尺を拡大して書いたものです。
建具の寸法、壁厚寸法、躯体寸法など詳細な寸法まで明記したもので、仕上げ部分の作業のために建物の空間を実際に表現する重要な図面です。
断面の状況なども判断し、屋内の高さ、フローリングの方向、納まりや仕上げなどまで記入していきます。
「躯体図」は建物の柱、壁、梁、床、天井、屋根、階段などの骨組みを作る躯体工事を進行うために、構造図と平面詳細図などを元にして作成されたものです。
コンクリートの打設位置や寸法、通り芯、壁芯、コンクリートの断面寸法などが詳細に記入されます。
「総合図」は電気設備、空調設備、衛生設備などの各設備機器を配備するために作成されるものです。
建築情報だけでなく、壁や天井の表面に見える器具などを表現し、これによって納まりを検討します。

図面の種類を知って仕事に役立てよう

いかがでしょうか?
一口に図面と言っても、色々な種類があることがお分かり頂けたと思います。
是非、参考にしてみてくださいね。

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