建築業界の仕事について

【建築士の仕事】意匠設計とは?仕事内容・資格などを解説

2020-12-21

意匠設計とは?

様々な造形美で人々を魅了する建築物。

その中には奇抜で人の心に強く印象を残すものもあれば、どこか懐かしい柔らかい雰囲気を感じさせれるものもあります。
そんな建築設計の仕事は大きく分けて意匠設計、設備設計、構造設計の3つに分かれています。
その中でも意匠設計の仕事は、まさに建築設計の中の花形と呼べるものでしょう。

意匠設計に携わる建築士には、資格を有した建築の専門家というだけではなく、人々の心に訴えかけるような意匠デザインを生み出す能力が必要とされます。
つまり、実用的要求で美的な要求に対応して建築の形態を決定することこそ、意匠設計の本質といえるでしょう。
扱う問題の範囲は、敷地の条件や周辺の環境に対応する建物配置という全体の問題から、個々の空間の構成、その内部の造作、装飾といった部分の問題まで多岐に亘ります。

そういった問題を解決するため、画地の環境・地域特性を踏まえて、お客様の要望を反映させた実用性の高い美しい建築物を計画し、平面図・立面図などの設計図を作成していきます

今回は意匠設計の仕事の内容の詳細とその魅力について、解説・紹介していきます。

大きく分けて基本設計と詳細設計に分かれる

意匠設計の具体的な業務は、大きく基本設計と実施(詳細)設計に分かれます。

基本設計は依頼主から要望を聞き取り、それを反映して基本的な形状や導線や間取りを考えることで、外観、階数、高さ、大枠の面積も基本設計で決定します。

もちろんある程度の変化の自由度は残しておいた上で、設計の方針を決めることが目的です。

基本設計の段階においては、何度も打合せを重ね、依頼主の要望を汲み取り、設計計画に反映させていくことが必要となります。

依頼主のイメージを具体化するために、カタログや画像などを用いたり、簡単な平面プランを作成して意見をすり合わせていくことが重要です。

依頼主の要望を現実的な計画や条件の中に落とし込んでいくことが求められます。

十分にヒアリングとカウンセリングを行い、施主が基本設計の内容に合意して契約した後、実施(詳細)設計に入ります。

実施(詳細)設計は構造躯体の組み方からコンセントやスイッチの高さや位置に至るまで工事する全てのものについて決定し、図面とします。

とにかく全て決定するため、詳細設計に費やす時間は基本設計に対するものよりも長くなります。

また、建築の細かい収まりなども熟知していることも必要です。

意匠設計のやりがいと魅力

建築物全体をデザインし、プロジェクト全体のまとめ役を行う意匠設計はとても大変な仕事です。

しかしその分、無事引き渡されたときは大きなやりがいを感じるものです。

設計の中で依頼主の要望を聞き取るところから、詳細を詰めるところまで長きに渡ってプロジェクトに関わるため、建築は意匠設計者にかかっています。

そのため、プロジェクトの引渡しが完了した時は大きな達成感を得られます。

小規模の住宅の場合でも、そこに何十年も住むことになる依頼主にとってたった一人の設計者である意匠設計者は、ずっと感謝されることになる存在です。

意匠設計者はやりがいや魅力も十分あるといえるでしょう。

意匠設計の職場とは

意匠設計に携わる建築士は、ゼネコンやハウスメーカーなど大きな会社に所属している場合もありますが、一級建築士として独立し、建築事務所を構えている場合も多いです。様々な形態の働き方がありますが、意匠設計者の職場としては主に以下の4つが挙げられます。

[ハウスメーカー]

ハウスメーカーとは、戸建て住宅やアパートといった小規模の住宅を扱う会社です。
営業担当者と建設担当者がペアを組み、依頼主との打合せにあたります。
間取りやデザインの独創性は重要視されず、設計にかける時間は少なくなりがちであるという特徴があります。
また設計者は複数の案件を抱えるため、一つのものに集中するというより、マルチタスクを処理できる要領の良さが求められます。

[組織設計事務所]

数十人~数百人といった規模の設計専門会社です。
東京スカイツリー、国立競技場など時代を代表する大規模な建築物をチームでまとめあげます。
組織設計事務所で働くメリットとしては、多くの知識と経験、人材を有しており、ビックプロジェクトに関われるという点。
責任は重大ですが、その分やりがいも十分に感じられます。
デメリットとしては、自分の裁量で仕事をできるまでには、その会社のなかでかなり上のポジションまで行く必要があります。
それまでは、部分の設計などに限られたり、指示された内容にそって設計業務をすることが中心になります。

[建設会社]

いわゆるゼネコンをはじめとした大手の建設会社でも、意匠設計者は活躍しています。
利益を出すことを前提とした設計を行うところもあれば、組織設計事務所のように自由さを兼ね備えている企業もあります。
会社によって様々な社風があるため、入社する際に自分の求める働き方に合うかどうかを吟味する必要があります。

[アトリエ事務所]

「建築家」と呼ばれる有名建築設計者が主催するのがアトリエ事務所です。
各事務所がそれぞれの個性を前面に出しながら仕事にあたっていることが大きな特徴です。
少数から大人数の事務所まであり、斬新な設計に携われるのも魅力のひとつ。
情熱を持ちながら夢に向かい設計を行います。
ただ、1所員としての立場では、給与や待遇といった面では一般企業にくらべかなり低い水準のところが多いのが現状です。
経験やスキルを身に着けるための修行という意味で勤務している若手の方も多いので、ある程度経験した後は独立していく方が殆どです。

 

いかがでしょうか?
一口に意匠設計者と言っても、様々な働き方があることがお分かり頂けたと思います。
建築の醍醐味を味わうことができる意匠設計。
是非目指してみてくださいね。

【建築士の仕事】意匠設計と構造設計の違い 

2020-12-08

建築士の仕事というと建物の外観や内観のデザインを思い浮かべる方が多いと思います。

建物の構造や設備を設計することもまた、建築設計の重要な仕事です。

ひとくちに設計といっても内容は多岐にわたるため、それぞれの特性を理解していくことが大切です。

建築士の仕事は「意匠設計」と「構造設計」に分けられます。

意匠設計とは

意匠設計は、建築におけるデザインの役割を担っています。

建築主から要望を聞き取り、間取りやデザイン、必要面積を落とし込むのは意匠設計の役割です。

クライアントの要望を聞き、内外観や間取り、造作やデザインなど建物全体の設計・デザインを担当します。

また、構造設計、設備設計のセクションの取りまとめや工事監理なども行い、建築設計全体のプロデューサー的な役割を担うことも少なくありません。

デザイン・設計のスキルに加え、コミュニケーション能力も必要となる仕事です。

構造設計とは

構造設計とは、建物の土台や柱、梁といった建築物の骨組みに関わる部分を設計する仕事です。

立地の地質や地盤、間取りを考慮するだけでなく、地震や台風、積雪などの災害に対する安全性能も計算し、設計することが求められます。

確実に安全な構造であることに加え、デザイン性を損なわずに建物として成立させるためには、緻密さ、正確さが必須となる仕事です。

 

同じ建築設計でも、担う役割は全く違います。

次回は更に詳しくそれぞれの仕事内容を見ていきましょう。

 

建築業界の仕事(7)「女性建築士の現状は?」

2017-01-18

従来、建築士というと「男性の仕事」というイメージが強く、
女性にとっては敷居が高い世界でした。
しかし平成27年の2級建築士資格試験の合格者の男女比は
男性が約65%、女性が約35%となっており、女性合格者が
全体の約3分の1を占める結果に。

また、世界を舞台に仕事をする女性建築家も増えてきており、
女性の活躍が顕著です
そこで今回は、女性建築士の現状について、みていきます。

 

●女性ならではの感性や視点が強み

女性建築士が増えている理由のひとつに、女性ならではの感性や視点が
評価されていることが挙げられます。
建築士への依頼のなかでも最も多い戸建住宅の設計です。
戸建住宅の設計においては、日々家事や育児に励む女性にとって、
いかに機能的で居心地の良い空間であるかが大切です。
そういった点から考えると、実際に「現役妻やママ」であることも多い
女性建築家の方が、家事をスムーズに行うための導線の作りや、使い
やすいキッチンの構造などを身を以て知っています。
また、同じ立場である女性の声に、親身になって耳をかたむけてくれる
のも多いでしょう。
こういった女性ならではの視点や感性が生きることで、デザイン性だけ
でなく、機能性の高く過ごしやすい住宅が完成するのです。

 

●きめ細やかな対応力

女性建築士が求められるもうひとつの理由が、きめ細やかで丁寧な対応力です。
もちろん、男性でも丁寧な仕事をする建築士はたくさんいます。
しかし些細なことに気が付いたり、丁寧な心配りという面は、女性の方が
得意とするところです。
また、女性ならではの柔らかい雰囲気は「こんなことを聞いたら怒られるかも」
というような些細な疑問も相談しやすく、実際に工務店の男性スタッフや大工
さんになかなか分かってもらえなかったイメージもすぐに察して貰えて非常に
助かったといったクライアントの声もたくさん聞かれます。
女性ならではきめ細やかな配慮は、依頼主の満足度に大きな影響を与えるもの
なのです。

いかがでしょうか?
他の職種であればマイナスになりがちな結婚や出産でのブランクも、
建築士という職業においては、仕事の幅を広げることにつながります。

次回は建築士の仕事の将来性について、みていきましょう。

建築業界の仕事(6)「建築士の仕事で苦労する事とは?」

2017-01-10

建築士の仕事は自分のアイデアがそのまま形として残り、
社会的な責任も大きく、ヤリガイのある魅力的な仕事です。
しかし、それだけに実際の現場では苦労もたくさんあるようです。
今回は、建築士の仕事で苦労する事についてみていきましょう。

 

●予算とデザイン性、安全性の板挟みに・・・

建築士に依頼が入る設計案件の中でも件数が多いのが、
戸建住宅の設計に関するものです。
マイホームは一生に一度の大きな買い物。
クイアントは様々な夢や希望を持って、建築士に
依頼をします。
「木のぬくもりを感じる家にしたい」、
「リビングの天井は高くして、開放感のある雰囲気にしたい」
など、依頼主は間取りやデザインに様々な理想を持っています。
しかし、予算との兼ね合いで諦めざるを得ないことも多いのが
実情です。
また、地震が多い日本では耐震性も重視されるため、
安全性の面から断念せざるを得ない場合もあります。
建築の素人であるクライアントには建築士の説明が理解できず、
クライアントの希望と現実の間のジレンマに悩まされることも
少なくないようです。

 

●締切に追われる

少人数で運営される建築事務所が最も苦労するのが、
締め切り前の追い込み作業です。
設計の依頼には必ず締切があり、それに間に合わなければ
信用に関わります。
小さな建築事務所にとって、信用を失うことは命取りです。
悪評が広まると、次回からの仕事の依頼がぱたりと途絶えて
しまします。
特にいくつもの締め切りが重なったり、クライアントに納得
してもらえずやり直しを余儀なくされる場合は、深夜までの
作業が何日も続くこともあります。
心身ともに追い込まれ、体調を崩す建築士も決して少なくは
ありません。

 

●実力がなけば生き残れない

平成26年の建築士登録状況によると、難関資格と呼ばれる
一級建築士ですら全国で約35万人の登録があります。
建築士の世界はとてもシビアです。資格を取得しただけでは、
スタートラインに立ったに過ぎず、就職すらままなりません。
センスを磨き、独自性のあるアイデアを打ち出し、さらに
勉強を重ねなくては生き残っていくことはできないのです。
このように見ていくと、建築士を目指すには相当の覚悟が
必要なことがわかるはずです。
建築士の資格を取得後に挫折し、他業種に転職する人も後を
絶ちません。

次回は、女性の建築士の働き方についてみていきます。

建築業界の仕事(5)「建築士の仕事のやりがいって何?」

2016-12-25

住宅やホテル、博物館や図書館など、街にある建築物はすべて、
建築士によって設計され、形になったものです。
あらゆる街の情景は、建築士がいなければ成り立ちません。
建築士は、それだけやりがいに溢れた仕事だと言えます。
今回はそんな建築士のやりがいや魅力について詳しくみて
いきましょう。

●建築依頼主の夢に寄り添う

クライアントの依頼で一番多いのが、マイホームの設計です。
マイホームは一生に一度の大きな買い物ですから、依頼主の
夢や希望が詰まっています。彼らは建築士を信頼し、
自分たちの理想やこだわりなどを伝えてくるはずです。
建築士は依頼主の希望を、自らのアイデアによって具体的な
形に変えていきます。
理想と現実の折り合いをつけることは一筋縄ではいきません。
しかし、それを乗り越えて依頼主に満足してもらえる住宅を
完成させれば、心からの感謝の言葉に出会えるはずです。
建築士は自分の知識ひとつで、人を笑顔にすることができる
仕事なのです。

 

●無から建築物を造る喜び

どんなデザインも、最初は建築士の頭の中にしか存在しません。
「このような構造にすれば、利用する人が寛げる空間になる」とか、
「スペースをこのように使えば、より開放的なリビングになる」とか、
自分の思いを建築物に込めることができるのも、無からもの造りに
携わる建築士の仕事の醍醐味です。
そのような思いが、多くの人の手によって実際に建設されるのを
目にするのは、何度経験しても楽しいものです。
そのワクワク感が「もっといいものを生み出そう」という意欲に
繋がります。デザインには正解がないからこそ、建築士は楽しみ
ながら頭をひねり、新しいものを追及していきます。

 

●街づくりという重要な役割を担う

冒頭で述べたように、都市や街のあらゆる建築物は、建築士の図面を
もとに生み出されます。建築士の仕事は手がける建築物を通して、
人の流れまで変えることができる、社会的に重要な役割を担うもの
なのです。
特に市民ホールや図書館、博物館などの公共施設に携わる場合は、
設計次第でその地域に住む人の憩いの場となるなど、街の活性化に
繋がることもあり得ます。
建築士は、建物が建つ街全体に大きな影響力を持つ仕事だと言える
でしょう。

 

いかがでしょうか?
このようにして建築士が生み出した建築物は、何十年もの間、人々の
暮らしに寄り添っていきます。
新しいものが生まれては消えていく世の中で、それは大きな魅力です。
たくさんのやりがいがある仕事ですが、もちろん大変なことも多くあります。

次回は、建築士の仕事の苦労についてみていきます。

建築業界の仕事(4)「建築士に向いているのは、どんな人?」 

2016-12-20

建築士に必要な適性とは・・・

建築士は資格を取得してもなお、たゆまぬ努力が必要な仕事だといえます。
それでは、どんな性質の人が建築士に向いているのでしょうか。
今回は建築士の適性についてお話したいと思います。

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●美術的センスがある人

建築士の仕事をする上で最も求められるのは、美術的なセンスです。
建築物の造形や内装や外装、カラーリングなど、ディティールに至る
までのすべてが、建築士の腕一つに委ねられると言っても過言では
ありません。
センスというと持って生まれたものと思われがちですが、努力に
よっていくらでも磨くことができます。
過去~現在に至るまでの様々な建築物はもちろん、絵画や彫刻など
様々な芸術や哲学に触れることで感性は研ぎ澄まされてゆきます。
大切なのは、貪欲に知識を吸収しようとする姿勢です。

●数学や物理など、理系科目が得意な人

建築士の仕事には、色々な理系の知識が求められます。
構造力学は、建築物の安全性を確保する上で欠かせないものですし、
塗料や資材との関連で化学にも精通していなくてはなりません。
その他、地学や生物学などを熟知している必要もあります。
こういった幅広い学問への関心が高いことも、建築士には欠かせない
要素です。

●コミュニケーション能力が高い人

建築士は、室内にこもって製図をすることだけが仕事ではありません。
依頼主や施工業者と話し合いを重ねながら、より良い建築物を目指して
いくことも、建築士の欠かせない仕事の1つです。
そのためには、依頼主の希望を上手に聞きだしたり、施工業者とスムーズに
打合せを進めるコミュニケーション能力が不可欠です。
そういった意味では、人と関わるのが好きな人は、建築士に向いているでしょう。

●正義感が強く、社会的モラルが高い人

2005年、一級建築士が構造計算書を改ざんし、耐震性を偽装していた
ニュースがセンセーショナルに報じられました。
建築物は社会性を有するものだけに、建築士には社会的責任感も強く
要求されます。
地震が多発する日本では、耐震性を始めとした建築物の安全性の確保は
欠かせません。
建築士は建築業界の中核的存在として、強い倫理観を持って仕事に臨める
人でなくてはなりません。

いかがでしょうか?
こうやって見ていくと、社会の役に立ちたいと心から思える人こそ、
建築士向いているといえるかもしれません。
次回は、建築士の仕事のやりがいと苦労について解説していきます。

建築業界の仕事(3)「建築士になるには、どうすればいいの?」

2016-12-15

Hello world!

建築業界の仕事(2)「建築士には、どんな種類があるの?」  

2016-12-09

●建築士は国家資格が必要な仕事。

建築士とは、国家資格である建築士資格を有し、設計や監理を
仕事とする人のことを指します。
しかし、ひと口に建築士と言っても、資格が分かれており、
手がける建築物の種類に制限があります。
今回は建築士にはどのような資格があるのかを詳しくみていきましょう。

建築士の種類

●まずは「2級建築士」を目指そう

 2級建築士は、建築士を目指すなら、まず最初に目標にしたい資格です。
 戸建住宅や事務所の用途であれば、木造3階で1000㎡まで、
 鉄筋コンクリート造や鉄骨造でも300㎡までの建物を設計することができ、
 かなりの規模まで2級建築士資格で設計することが可能です。
 以前は無資格者でも図面作成業務に関わることができていましたが、
 耐震偽装事件を契機に建築士法が改正されてからは、建築士の責任を明確に
 することが求められるようになりました。
 そういった現状をふまえると、建設業界で長く設計業務に携わるためには、
 2級建築士資格の取得は必須だといえるでしょう。

 
●目標にしたい「1級建築士」

 上記のように、2級建築士でもかなりの規模までの建築物を設計できます。
 しかし、学校や病院、マンションなどの特殊建築物を設計するには、
 1級建築士の資格が必要です。ハウスメーカー以外に就職する場合は、
 最終的には1級建築士の資格取得を目標にしましょう。
 近年、不動産業界では一戸建ての需要が伸び悩んでいます。かつてのように
 「マイホーム」を持つことを目標にする人は少なくなり、マンション購入を
 選択する人が増加、都会ではタワーマンションの建設が相次いでいます。
 そんな中で、1級建築士は重要な役割を担っているといえるでしょう。
 合格率10%と非常に狭き門ではありますが、目標にしたい資格です。

 
●「一級建築士」の上位資格とは

 2009年、1級建築士の上位資格として、構造設備1級建築士と
 設備設計1級建築士資格が新設されました。
 構造設備1級建築士は、高さが60m越の建築物や鉄骨造で地上階数4階以上、
 もしくは、RC造かSRC造で高さが20m越の建築物のスペシャリスト、
 設備設計一級建築士は、階数が3階以上で5000㎡越の建築物の専門家です。
 これらの資格の新設により、上記の規模の建築物については、
 構造設備一級建築士と設備設計一級建築の関与が不可欠になりました。
 高度な知識が必須のため、いまだ有資格者が少なく、取得すれば一躍有用な
 人材となれるでしょう。
 建築物の安全性が問われる今、意匠設計に比べて裏方に回ることが多かった
 構造や設備に関わる設計者の役割が非常に注目されています。
 転職や独立をする場合にも、非常に有利に働くことは間違いありません。

 
●力試しに受験したい「木造建築士」

 木造の建築物限定の資格として、木造建築士という資格もあります。
 その名の通り、携われるのは木造の建築物に限られる上、1~2階建てで
 300㎡以下という構造制限もあるため、かなり限定された範囲の建築物に
 しか携わることができません。
 そのため、有資格者もとても少ないのが現状です。しかし合格率は40%と
 高いので、勉強がてら力試しで受験するのも良いかもしれません。
 
いかがでしょうか?
ひと口に「建築士」といっても、様々な資格があり、携われる建築物にも制限が
あることが理解いただけたかと思います。
次回は建築士の目指し方について解説していきます。

建築業界の仕事(1)「建築士はどんな仕事をしているの?」  

2016-11-30

戸建て住宅から高層ビル、公共施設や商業施設まで、日常生活で
目に入るものの殆どが建築物といっても過言ではないでしょう。
そんな建築物をつくる仕事の中心にいるのが建築士です。

しかし、建築士と一言でいっても実際は様々な仕事内容がありますので、
今回はそのあたりを少し整理していきたいと思います。

設計図イメージ

●建築士の仕事は「設計」と「監理」

建築士の仕事は大きく「設計」と「監理」の2つに分けられます。

まずひとつ目の「設計」は、依頼主の必要としている建築物を
具体的化する作業です。
依頼主から建築の目的や用途・必要な機能や性能などをヒアリングし、
それを整理した上で、平面プランから高さ方向の断面プラン、外観の
意匠プランを作っていきます。

この段階は、一般的に企画設計とよばれ、次に説明する実施設計と
区別されます。
その実施設計は、提案したプランを依頼主が了解した後、実際に
建築するために必要な設計作業のことで、各部分の詳細な図面を
描いて施工会社に引き継ぎます。

そしてもうひとつの「監理」とは、実際の建築物の品質や仕上がりを
設計通りに実現するための作業で、工事が図面の指示通りに行われて
いるか、寸法などの精度が出ているかを現場で確認し、状況に応じて
修正や変更を行い完成までクオリティのコントロールをする仕事です。

個人が建てるマイホームはもちろん、企業が建設するオフィスビルで
あっても、依頼主にはデザインや内装に対する夢やこだわりがあります。
依頼主と話し合いを重ねながら、そういった希望を実現するための
アイデアを提供し、時には安全性や予算にも配慮しながら、具体的に
計画を立てていくのが建築士の大切な仕事です。

そして図面が完成したら、工事が計画通りにきちんと行われているかを、
設計者の立場から確認することも重要な業務です。
工事が正しく行われていない場合は、施工者に注意を喚起し、指示に
従わない場合は、依頼主に報告します。
施工者が建築費を安く上げて不当な利益を得たり、手抜き工事などの
不正を防ぐことも、建築士に求められる役割なのです。

それでは、建築士を目指すにはどういった方法があるのか、
次回はそのあたりを具体的にお話ししたいと思います。

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