建築業界の仕事(1)「建築士はどんな仕事をしているの?」  

2016-11-30

戸建て住宅から高層ビル、公共施設や商業施設まで、日常生活で
目に入るものの殆どが建築物といっても過言ではないでしょう。
そんな建築物をつくる仕事の中心にいるのが建築士です。

しかし、建築士と一言でいっても実際は様々な仕事内容がありますので、
今回はそのあたりを少し整理していきたいと思います。

設計図イメージ

●建築士の仕事は「設計」と「監理」

建築士の仕事は大きく「設計」と「監理」の2つに分けられます。

まずひとつ目の「設計」は、依頼主の必要としている建築物を
具体的化する作業です。
依頼主から建築の目的や用途・必要な機能や性能などをヒアリングし、
それを整理した上で、平面プランから高さ方向の断面プラン、外観の
意匠プランを作っていきます。

この段階は、一般的に企画設計とよばれ、次に説明する実施設計と
区別されます。
その実施設計は、提案したプランを依頼主が了解した後、実際に
建築するために必要な設計作業のことで、各部分の詳細な図面を
描いて施工会社に引き継ぎます。

そしてもうひとつの「監理」とは、実際の建築物の品質や仕上がりを
設計通りに実現するための作業で、工事が図面の指示通りに行われて
いるか、寸法などの精度が出ているかを現場で確認し、状況に応じて
修正や変更を行い完成までクオリティのコントロールをする仕事です。

個人が建てるマイホームはもちろん、企業が建設するオフィスビルで
あっても、依頼主にはデザインや内装に対する夢やこだわりがあります。
依頼主と話し合いを重ねながら、そういった希望を実現するための
アイデアを提供し、時には安全性や予算にも配慮しながら、具体的に
計画を立てていくのが建築士の大切な仕事です。

そして図面が完成したら、工事が計画通りにきちんと行われているかを、
設計者の立場から確認することも重要な業務です。
工事が正しく行われていない場合は、施工者に注意を喚起し、指示に
従わない場合は、依頼主に報告します。
施工者が建築費を安く上げて不当な利益を得たり、手抜き工事などの
不正を防ぐことも、建築士に求められる役割なのです。

それでは、建築士を目指すにはどういった方法があるのか、
次回はそのあたりを具体的にお話ししたいと思います。

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