建築業界の仕事(2)「建築士には、どんな種類があるの?」  

2016-12-09

●建築士は国家資格が必要な仕事。

建築士とは、国家資格である建築士資格を有し、設計や監理を
仕事とする人のことを指します。
しかし、ひと口に建築士と言っても、資格が分かれており、
手がける建築物の種類に制限があります。
今回は建築士にはどのような資格があるのかを詳しくみていきましょう。

建築士の種類

●まずは「2級建築士」を目指そう

 2級建築士は、建築士を目指すなら、まず最初に目標にしたい資格です。
 戸建住宅や事務所の用途であれば、木造3階で1000㎡まで、
 鉄筋コンクリート造や鉄骨造でも300㎡までの建物を設計することができ、
 かなりの規模まで2級建築士資格で設計することが可能です。
 以前は無資格者でも図面作成業務に関わることができていましたが、
 耐震偽装事件を契機に建築士法が改正されてからは、建築士の責任を明確に
 することが求められるようになりました。
 そういった現状をふまえると、建設業界で長く設計業務に携わるためには、
 2級建築士資格の取得は必須だといえるでしょう。

 
●目標にしたい「1級建築士」

 上記のように、2級建築士でもかなりの規模までの建築物を設計できます。
 しかし、学校や病院、マンションなどの特殊建築物を設計するには、
 1級建築士の資格が必要です。ハウスメーカー以外に就職する場合は、
 最終的には1級建築士の資格取得を目標にしましょう。
 近年、不動産業界では一戸建ての需要が伸び悩んでいます。かつてのように
 「マイホーム」を持つことを目標にする人は少なくなり、マンション購入を
 選択する人が増加、都会ではタワーマンションの建設が相次いでいます。
 そんな中で、1級建築士は重要な役割を担っているといえるでしょう。
 合格率10%と非常に狭き門ではありますが、目標にしたい資格です。

 
●「一級建築士」の上位資格とは

 2009年、1級建築士の上位資格として、構造設備1級建築士と
 設備設計1級建築士資格が新設されました。
 構造設備1級建築士は、高さが60m越の建築物や鉄骨造で地上階数4階以上、
 もしくは、RC造かSRC造で高さが20m越の建築物のスペシャリスト、
 設備設計一級建築士は、階数が3階以上で5000㎡越の建築物の専門家です。
 これらの資格の新設により、上記の規模の建築物については、
 構造設備一級建築士と設備設計一級建築の関与が不可欠になりました。
 高度な知識が必須のため、いまだ有資格者が少なく、取得すれば一躍有用な
 人材となれるでしょう。
 建築物の安全性が問われる今、意匠設計に比べて裏方に回ることが多かった
 構造や設備に関わる設計者の役割が非常に注目されています。
 転職や独立をする場合にも、非常に有利に働くことは間違いありません。

 
●力試しに受験したい「木造建築士」

 木造の建築物限定の資格として、木造建築士という資格もあります。
 その名の通り、携われるのは木造の建築物に限られる上、1~2階建てで
 300㎡以下という構造制限もあるため、かなり限定された範囲の建築物に
 しか携わることができません。
 そのため、有資格者もとても少ないのが現状です。しかし合格率は40%と
 高いので、勉強がてら力試しで受験するのも良いかもしれません。
 
いかがでしょうか?
ひと口に「建築士」といっても、様々な資格があり、携われる建築物にも制限が
あることが理解いただけたかと思います。
次回は建築士の目指し方について解説していきます。

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