12月, 2016年

建築業界の仕事(5)「建築士の仕事のやりがいって何?」

2016-12-25

住宅やホテル、博物館や図書館など、街にある建築物はすべて、
建築士によって設計され、形になったものです。
あらゆる街の情景は、建築士がいなければ成り立ちません。
建築士は、それだけやりがいに溢れた仕事だと言えます。
今回はそんな建築士のやりがいや魅力について詳しくみて
いきましょう。

●建築依頼主の夢に寄り添う

クライアントの依頼で一番多いのが、マイホームの設計です。
マイホームは一生に一度の大きな買い物ですから、依頼主の
夢や希望が詰まっています。彼らは建築士を信頼し、
自分たちの理想やこだわりなどを伝えてくるはずです。
建築士は依頼主の希望を、自らのアイデアによって具体的な
形に変えていきます。
理想と現実の折り合いをつけることは一筋縄ではいきません。
しかし、それを乗り越えて依頼主に満足してもらえる住宅を
完成させれば、心からの感謝の言葉に出会えるはずです。
建築士は自分の知識ひとつで、人を笑顔にすることができる
仕事なのです。

 

●無から建築物を造る喜び

どんなデザインも、最初は建築士の頭の中にしか存在しません。
「このような構造にすれば、利用する人が寛げる空間になる」とか、
「スペースをこのように使えば、より開放的なリビングになる」とか、
自分の思いを建築物に込めることができるのも、無からもの造りに
携わる建築士の仕事の醍醐味です。
そのような思いが、多くの人の手によって実際に建設されるのを
目にするのは、何度経験しても楽しいものです。
そのワクワク感が「もっといいものを生み出そう」という意欲に
繋がります。デザインには正解がないからこそ、建築士は楽しみ
ながら頭をひねり、新しいものを追及していきます。

 

●街づくりという重要な役割を担う

冒頭で述べたように、都市や街のあらゆる建築物は、建築士の図面を
もとに生み出されます。建築士の仕事は手がける建築物を通して、
人の流れまで変えることができる、社会的に重要な役割を担うもの
なのです。
特に市民ホールや図書館、博物館などの公共施設に携わる場合は、
設計次第でその地域に住む人の憩いの場となるなど、街の活性化に
繋がることもあり得ます。
建築士は、建物が建つ街全体に大きな影響力を持つ仕事だと言える
でしょう。

 

いかがでしょうか?
このようにして建築士が生み出した建築物は、何十年もの間、人々の
暮らしに寄り添っていきます。
新しいものが生まれては消えていく世の中で、それは大きな魅力です。
たくさんのやりがいがある仕事ですが、もちろん大変なことも多くあります。

次回は、建築士の仕事の苦労についてみていきます。

建築業界の仕事(4)「建築士に向いているのは、どんな人?」 

2016-12-20

建築士に必要な適性とは・・・

建築士は資格を取得してもなお、たゆまぬ努力が必要な仕事だといえます。
それでは、どんな性質の人が建築士に向いているのでしょうか。
今回は建築士の適性についてお話したいと思います。

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●美術的センスがある人

建築士の仕事をする上で最も求められるのは、美術的なセンスです。
建築物の造形や内装や外装、カラーリングなど、ディティールに至る
までのすべてが、建築士の腕一つに委ねられると言っても過言では
ありません。
センスというと持って生まれたものと思われがちですが、努力に
よっていくらでも磨くことができます。
過去~現在に至るまでの様々な建築物はもちろん、絵画や彫刻など
様々な芸術や哲学に触れることで感性は研ぎ澄まされてゆきます。
大切なのは、貪欲に知識を吸収しようとする姿勢です。

●数学や物理など、理系科目が得意な人

建築士の仕事には、色々な理系の知識が求められます。
構造力学は、建築物の安全性を確保する上で欠かせないものですし、
塗料や資材との関連で化学にも精通していなくてはなりません。
その他、地学や生物学などを熟知している必要もあります。
こういった幅広い学問への関心が高いことも、建築士には欠かせない
要素です。

●コミュニケーション能力が高い人

建築士は、室内にこもって製図をすることだけが仕事ではありません。
依頼主や施工業者と話し合いを重ねながら、より良い建築物を目指して
いくことも、建築士の欠かせない仕事の1つです。
そのためには、依頼主の希望を上手に聞きだしたり、施工業者とスムーズに
打合せを進めるコミュニケーション能力が不可欠です。
そういった意味では、人と関わるのが好きな人は、建築士に向いているでしょう。

●正義感が強く、社会的モラルが高い人

2005年、一級建築士が構造計算書を改ざんし、耐震性を偽装していた
ニュースがセンセーショナルに報じられました。
建築物は社会性を有するものだけに、建築士には社会的責任感も強く
要求されます。
地震が多発する日本では、耐震性を始めとした建築物の安全性の確保は
欠かせません。
建築士は建築業界の中核的存在として、強い倫理観を持って仕事に臨める
人でなくてはなりません。

いかがでしょうか?
こうやって見ていくと、社会の役に立ちたいと心から思える人こそ、
建築士向いているといえるかもしれません。
次回は、建築士の仕事のやりがいと苦労について解説していきます。

建築業界の仕事(3)「建築士になるには、どうすればいいの?」

2016-12-15

Hello world!

建築業界の仕事(2)「建築士には、どんな種類があるの?」  

2016-12-09

●建築士は国家資格が必要な仕事。

建築士とは、国家資格である建築士資格を有し、設計や監理を
仕事とする人のことを指します。
しかし、ひと口に建築士と言っても、資格が分かれており、
手がける建築物の種類に制限があります。
今回は建築士にはどのような資格があるのかを詳しくみていきましょう。

建築士の種類

●まずは「2級建築士」を目指そう

 2級建築士は、建築士を目指すなら、まず最初に目標にしたい資格です。
 戸建住宅や事務所の用途であれば、木造3階で1000㎡まで、
 鉄筋コンクリート造や鉄骨造でも300㎡までの建物を設計することができ、
 かなりの規模まで2級建築士資格で設計することが可能です。
 以前は無資格者でも図面作成業務に関わることができていましたが、
 耐震偽装事件を契機に建築士法が改正されてからは、建築士の責任を明確に
 することが求められるようになりました。
 そういった現状をふまえると、建設業界で長く設計業務に携わるためには、
 2級建築士資格の取得は必須だといえるでしょう。

 
●目標にしたい「1級建築士」

 上記のように、2級建築士でもかなりの規模までの建築物を設計できます。
 しかし、学校や病院、マンションなどの特殊建築物を設計するには、
 1級建築士の資格が必要です。ハウスメーカー以外に就職する場合は、
 最終的には1級建築士の資格取得を目標にしましょう。
 近年、不動産業界では一戸建ての需要が伸び悩んでいます。かつてのように
 「マイホーム」を持つことを目標にする人は少なくなり、マンション購入を
 選択する人が増加、都会ではタワーマンションの建設が相次いでいます。
 そんな中で、1級建築士は重要な役割を担っているといえるでしょう。
 合格率10%と非常に狭き門ではありますが、目標にしたい資格です。

 
●「一級建築士」の上位資格とは

 2009年、1級建築士の上位資格として、構造設備1級建築士と
 設備設計1級建築士資格が新設されました。
 構造設備1級建築士は、高さが60m越の建築物や鉄骨造で地上階数4階以上、
 もしくは、RC造かSRC造で高さが20m越の建築物のスペシャリスト、
 設備設計一級建築士は、階数が3階以上で5000㎡越の建築物の専門家です。
 これらの資格の新設により、上記の規模の建築物については、
 構造設備一級建築士と設備設計一級建築の関与が不可欠になりました。
 高度な知識が必須のため、いまだ有資格者が少なく、取得すれば一躍有用な
 人材となれるでしょう。
 建築物の安全性が問われる今、意匠設計に比べて裏方に回ることが多かった
 構造や設備に関わる設計者の役割が非常に注目されています。
 転職や独立をする場合にも、非常に有利に働くことは間違いありません。

 
●力試しに受験したい「木造建築士」

 木造の建築物限定の資格として、木造建築士という資格もあります。
 その名の通り、携われるのは木造の建築物に限られる上、1~2階建てで
 300㎡以下という構造制限もあるため、かなり限定された範囲の建築物に
 しか携わることができません。
 そのため、有資格者もとても少ないのが現状です。しかし合格率は40%と
 高いので、勉強がてら力試しで受験するのも良いかもしれません。
 
いかがでしょうか?
ひと口に「建築士」といっても、様々な資格があり、携われる建築物にも制限が
あることが理解いただけたかと思います。
次回は建築士の目指し方について解説していきます。

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