建築系CADオペレーターとは?仕事内容を解説します

2022-04-25

建築系CADオペレーターとは?

建築やインテリア、自動車や家電など、現在様々なものづくりの現場で活躍しているCADオペレーター。
しかし名前は知ってはいても、具体的にCADオペレーターがどのような仕事に従事しているのかをご存じ無い方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、建築やインテリア業界でも欠かせない存在となっているCADオペレーターの業務内容や魅力、関連資格についてご紹介していきます

建築系CADオペレーターの具体的な仕事内容について

建築系CADオペレーターの業務は、大きく5つに分かれています。
まずは、建築系CADオペレーターの具体的な仕事内容についてみていきましょう。

①建築士やデザイナーとの打ち合わせ

CADオペレーターの最初の大切な仕事は、建築士やデザイナーとの打合せに臨むことです。
CADオペレーターは、建築士やデザイナーから指示を受け、CADを用いて図面を作成することが主な業務となり、通常は設計自体に携わることはありません。
だからこそ、建築士やデザイナーと綿密な連携を図り打合せを重ねることで、より精密な図面を作成することがCADオペレータに求められているといえるでしょう。

②図面をトレースする

建築系CADオペレーターが携わる業務のひとつに、図面のトレースがあげられます。
図面のトレースとは、建築士やデザイナーが手描きで描いた設計図を2DCADや3DCADにトレースする業務のことです。
ラフな手描きの設計図はペン一本で作図が可能なので、完成図のイメージをいち早く共有するのに適していると言えます。
しかし手描きでは、正確な設計図の作図は難しいというのが現実です。
そのため、建築士が作成した手描き図面をチームで共有できるデータにトレースすることが、CADオペレーターに課せられた重要な仕事であるといえるでしょう。

③設計図を作成する

建築士やデザイナーが作った設計図を、AutoCADやJw-cad、SOLIDWORKSなどのCADソフトを用いて正確な図面に落とし込む事もCADオペレーターの大切な仕事です。
正確な設計図面を作成するためには、緻密で細かい図面作りができる能力が必要とされます。
CADオペレーターが作成した図面にミスがあった場合、実際に建築物を施工する段階になって問題が発生してしまう恐れがあります。
特に建築やインテリア業界で作成される図面は、人の命に関するものとなるので、建築図面のミスは建物の安全性に大きく影響を与えてしまいます。
CADオペレーターには、より安全性の高い図面作りが求められます。

④製図のデータ修正を行う

CADを用いての図面作成が完了すると、続いては細かいデータの修正を行います。
より安全性が高く完成度の高い図面を目指して、何度も見直しながら細かい修正を行っていきます。
手描き段階では問題が無いように感じられたとしても、実際にCADを用いてデータ化をしてみると、詳細な部分で不具合が生じている場合があり、図面の完成に至るまでには何度も修正を行う必要があります。
また、建築物の設計図面が完成した後も、実際の建設段階で変更が加えられる場合があり、そういったケースではその都度毎に設計図面の変更が求められます。
そのような図面修正を逐一建築士やデザイナーが行っていると作業時間が莫大になってしまうため、建築物を専門に扱うCADオペレーターが活躍します。

⑤製図データを管理し複製を行う

製図データが完成した後、そのデータを管理することもCADオペレーターに課せられた業務のひとつです。
万が一、製図データを無くしたり破損が生じた場合には、同じ図面をまた一から作り直さなければいけなくなります。
製図データは複数の人によって閲覧されるので、CADオペレーターは製図データを複製し、管理を行うことになります。
またデータに修正が加えられた場合は、複製した製図データを最新の物に差し替えることも必要となります。
一見地味な作業に思えますが、データを作成するだけでなく、その管理を行う事もCADオペレーターの大切な仕事といえるでしょう。

建築系CADオペレーターの仕事の魅力とは

今や建築やインテリア業界では欠かせない存在となっているCADオペレーター。
続いては、CADオペレーターの仕事の魅力についてみていきましょう。

未経験から挑戦できる

CADオペレーターは、実務経験がなく業界未経験の方でもチャレンジできる仕事です。
しかしながら、CADに関する基礎知識や操作スキルは不可欠なので、CADの知識が皆無という場合は、独学や専門学校でCADについて学んでから就職活動を行うと有利になるでしょう。

需要も高く、活躍できる場も多い

CADオペレーターは幅広い分野で活躍しており需要が高いという事も、この職種を選ぶメリットであるといえます。
実際、建築・土木などの建設関連会社、デザイン関連会社などでは多くのCADオペレーターが活躍しています。
将来的にも少子高齢化が進行する影響から、リフォームやリノベーション業界の活性化が見込まれており、CADオペレーターが携わる業務も拡大していくと考えられています。

長期スパンでのスキルアップが見込める

CADオペレーターは技術職であり、経験年数に比例してスキルアップをはかることが可能です。
スキルアップをはかる中で、建築関連のCAD検定試験にチャレンジしたり、建築士やインテリアコーディネーターの資格を取得したりするCADオペレーターもたくさんいます。
CADオペレーターとして業務に携わることをゴールと考えず、さらなるキャリアアップを目指したいという方には、CADオペレーターはやりがいのある仕事だということができるでしょう。

建築系CADオペレーターの関連資格

CADオペレーターとしてスキルアップをはかるなら、是非目指してほしいのがCAD関連資格の取得です。
資格を取得することで、携わる仕事内容もより質の高いものとなります。
続いては、CAD関連資格のうち建築系のCADオペレーターにおススメの資格をみていきましょう。

CAD利用技術者試験

CAD関連の資格のうち最も代表的なものに「CAD利用技術者試験」があります。
こちらの資格は知名度が高いことに加え、就職や転職の際にアピールし易いため、人気の資格となっています。
「CAD利用技術者試験」は一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する民間の資格となっており、試験は2DCADと3DCADに分かれて行われています。
それぞれに1級、準1級、2級までの試験が用意されており、順を追って資格を取得することでスキルアップが可能です。
1級や準1級を受験するためには、2級に合格していることが必要になるため、まずは2級の資格取得を目指しましょう。
2級試験はCADを学び始めて間もない方やCADオペレーターとしての経験が浅い方を対象に行われます。
試験は筆記試験と製図試験に分かれており、筆記試験ではCADの基礎的な機能が問われます。
また、製図試験では、実際に作図を行う際の表現技法などを問われる内容となっています。
近年の2級の合格率は、50%前後で推移しており、コツコツ学習を進めていけば合格は難しくありません。
CAD初心者の方に、おススメできる資格です。

建築CAD検定試験

「建築CAD検定試験」は、一般社団法人全国建築CAD連盟(AACL)が主催する民間の資格で、建築系に特化しているという点が最大の特徴です。
試験では筆記試験は行われず、CADソフトを使用して実際の実務で作成する建築設計図面を、一定の時間内で作成できるかが問われます。
まさに実践型のCAD資格と言っても過言ではないでしょう。
試験は、准1級、2級、3級、4級に分かれており、受験資格は特に設けられていません。
自分の実力に見合った等級から受験していくのがおススメです。

Vectorworks操作技能認定試験

「Vectorworks操作技能認定試験」はエーアンドエー株式会社が主催する、CADソフト「Vectorworks」の操作技術を認定する資格試験です。
こちらは「ベーシック認定試験」と、「ベーシック認定試験」の合格者のみ受受験可能な「マスター認定試験」に分かれています。
「ベーシック認定試験」はVectorworksを用いた2次元CAD及び3次元CAD、又はワークシート等の基本機能技術と、レンダリングの基本操作技能をはかる試験となっています。
IBT形式(インターネットに接続したPCで受験する形式)での実施となるため、時間や場所を問わず受験することができ、合否判定は受験終了後すぐに判明します。
Vectorworksは建築やインテリア業界でも幅広く用いられているため、異業種からの転職を目指されている方にもおススメできる認定試験です。

CADオペレーターとして働きながら、スキルアップを目指そう

いかがでしょうか?
建築やインテリア業界において、今後益々需要が見込めるCADオペレーター。
CADオペレーターとして働きながら、更なるスキルアップを目指すのもおススメです。

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