建築士と設計士にはどのような違いがあるの?仕事内容を解説します

2022-03-16

建築士と設計士。それぞれどんな違いがあるの?

建築業界において、建築物の設計に従事する人は「設計士」や「建築士」と呼ばれます。
建築業界以外の方からすると、設計士と建築士はどちらも同じ職業のように考えられていますが、両者には明確な違いがあります。
今回は、設計士と建築士の違いやそれぞれの仕事内容についてみていきましょう。

建築士と設計士の最も大きな違いは資格の有無

設計士と建築士の最も明確な違いは、資格の有無だと言えるでしょう。
建築士は、1級建築士や2級建築士、木造建築士などに分かれており、国家資格の名称でもあります。
一方、設計士は資格の名称ではなく、建築業界では建築士の資格を持っていないものの設計やその補助を行う人のことを設計士と呼んでいます。また設計士という名称は、建築の設計を行う人のみを指すわけではない、という点でも注意が必要です。
建築業界で設計士と言えば、建築図面の作成に携わる人を指しますが、通常は自動車や飛行機、その他の機械を設計する人のことも、設計士と呼びます。建築士になるには一定の学歴や実務経験を経た上で、国家資格試験に合格することが必要ですが、設計士は資格の名称ではないため、ゼネコンやハウスメーカー、設計事務所に入って設計部門で設計に携わる仕事に従事すれば、設計士と名乗ることができます。
設計士は建築士資格を持たないままで設計業務に携わる人の事を指すので、その業務内容には限りがあります。
基本的には建築設計や設計管理は建築士の資格がないとできないとされているため、設計士の主な業務は建築士のサポートということになります。
しかし建築士法では、建築士の資格を保持していなくても、100㎡未満の木造住宅に限っては設計ができると定められているので、規模が小さい木造建築であれば設計士が設計を行う場合もあります。
そうは言っても、そもそも明確な定義がないのが設計士なので、あえて設計士という職業を目指すことは基本的ににありません。
一般的には、建築士資格を持たないままで建築会社や設計事務所、工務店などに就職し、その後、キャリアを積みながら建築士の資格取得を目指す人が多いです。

建築士と設計士の仕事内容の違いを具体的にみていこう

建築士と設計士の仕事内容にはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの業務内容について、具体的にみていきましょう。

建築士の仕事内容①:依頼主との打合せ

建築士は依頼主である施主の依頼を受け、要望に沿った建築物を建てるために打合せを行います。
打合せを行う中で、施主がどのような建物のデザインや間取りを希望しているのか、予算はどの程度なのかをヒアリングすることが非常に重要です。
基本的には施主は建築に詳しくない人が多いので、専門的な内容も分かりやすく伝える能力が必要です。
住宅設計の場合は、施主の家族構成、ライフスタイルなどを考慮に入れ、最適な動線を確保し、よりベストな間取りを提案することが大切になるでしょう。

建築士の仕事内容②:建築設計図の作成

打合せを重ね、施主が希望する建築物のイメージが固まると、そのイメージを基に建築設計図を作成します。
CADを用いて平面図や立断面図、展開図を作成し、場合によってはミニチュア模型の作成も行い、完成形をイメージしながら、建築物の細部について施主と意見の擦り合わせを行います。
一度建築設計図を作成した後であっても、施主から新しい希望があれば、再び建築図面を作成する場合も少なくありません。
また、建築物の構造や資材によっても予算が変更となるため、施主の要望に沿いながら、予算内で建築物を仕上げるのが建築士の重要な役目です。
施主との意見の擦り合わせが完了し、基本図面と見積もり予算に対して了承を貰えたら、いよいよ実際に建築現場の施工に必要な実施設計を作成します。

建築士の仕事内容③:建築施工中の指導・監督や進捗状況の確認

実施設計図が完成したら、建築物の施工が開始されます。
施工開始後の建築士の主な役割は、現場監督や施工管理技士と綿密に連携を取り、指導や監督、工事の進捗状況を確認することです。
施工が開始された後にも設計図の修正が必要になる場合もあり、その場合には修正した設計図を作成することも建築士の大切な仕事です。

設計士の仕事内容①:依頼主との打合せに補助として参加する

設計士の仕事の第一歩は、建築士と同様に、依頼主である施主と直接打合わせを行うことです。
しかし、打合せを主体的に行う、というよりも建築士や営業担当者の補助として打合せに参加することが設計士に期待される役割となります。
設計士には建築士や営業担当者の補助として、見落とされがちな施主の希望やこだわりといった細かい部分を汲み取る能力が求められます。

設計士の仕事内容②:規模の小さな木造建築物を設計する

規模が100㎡未満の木造建築物の場合は、建築士資格を保持していない設計士でも設計ができます。
このような場合は設計士に設計が任されるケースもあります。
資格が必要な建築物であっても、一部分のみを設計士が担当して設計を行う場合もあります。

設計士の仕事内容③:建築士の設計補助

設計士は、設計図の作成に必要な書類を作成するなど、建築士の補助的な役割担うことも多くあります。
建築士の補助業務は、設計士が経験を積み先々のキャリアを見据える上でも非常に重要な業務となります。
書類作成を通して施主の希望やこだわりを知ることもできるので、こういった雑務を通して学ぶことも多くあるでしょう。

建築士と設計士。どちらにも共通して必要なスキルとは

建築士と設計士の仕事においては、求められるスキルに多くの共通点があります。
建築士と設計士に求められるスキルについてみていきましょう。

空間把握能力

建築物を設計をする上で最も大切なことは、使いやすく、住宅であれば住みやすくなるように空間を創り出すことです。
より居心地の良い空間を創り出すために必要となる空間把握能力は、物体の位置関係を素早く、できるだけ正確に把握する能力です。
空間把握能力は意図的に学ぶことが難しい能力であり、年齢を重ねるにつれて低下していきますが、様々な建築物を見学したり、建築図面の寸法と実物の大きさを感覚的に把握することで鍛えられる能力でもあります。

感性と創造力

建築物を設計するには、新たな建物を生み出す感性と、無の状態かた設計を考えられる創造力が必要となります。
建築士や設計士に建物を依頼する依頼主は、利便性や快適さ以外にも、独自の美しさや斬新なデザインを希望している場合も少なくありません。
過去の建築やインテリアデザインに関する十分な知識はもちろん、常に最先端のデザインを学ぶ姿勢も大切です。

コミュニケーション能力

依頼主の希望に沿った建築物を建てるためには、依頼主に寄り添いその要望を十分に聞き出す必要があります。
また実施設計図が完成し、施工が開始されてからは、建築現場の施工管理技士や職人と綿密にコミュニケーションを取り、適切に監理や指導をしていくことが重要になっていきます。
そのような業務に携わる建築士や設計士にとって、コミュニケーション能力は欠かせない大切なスキル。
日頃から様々な世代の人と積極的にコミュニケーションをはかり、スキルを磨いておきましょう。

理数系スキル

建築物を設計するためには、構造力学や地盤に関する知識、室内の設備や空調に関わるカビや微生物の知識、塗料や材料に含まれる化学物質の知識など、様々な理数系のスキルが必要となります。建築物の強度確保のためには、数学の知識も重要です。
建築士や設計士は、理数系の分野に関する幅広い知識を吸収する姿勢が大切です。

設計士として働く場合も、スキルアップして建築士資格取得を目指そう

一般的に見ると、区別がつきにくい建築士と設計士。
やはり、国家資格である建築士として働く方が、より仕事のやりがいを感じられるという実情があります。
設計士として就職した場合も、経験を積んで建築士資格取得を目標にすると良いでしょう。
是非、参考にしてみてくださいね。

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