CADとは?建築業界で使用されるおすすめソフトをご紹介します
CAD(キャド)とは、どんなソフトなの?
CADとは「Computer Aided Design」の頭文字を取ったもので、コンピューターを使って設計するためのソフトやシステムのことを指す用語です。
現在は設計の際にCADを用いて製図を行う事が一般的になってきています。
手描きの図面だと線の太さなどの誤差が発生しますが、CADの登場によって設計の正確性が向上し、製図のスピードも格段にアップしました。
また図面の修正や加筆も簡単に行う事が可能になり、変更履歴を残せるという点でも非常に便利です。
またチームで設計業務を行う際に、簡単に設計内容を共有できるというメリットもあります。
今回は、今や建築業界では欠かせない存在のCADについて、その特徴や種類を詳しく解説していきます。
CADソフトにはどのような種類があるの?
CADソフトには様々な種類があり、その用途も多岐に亘ります。
ここでは代表的な5つのCADソフトについてみていきましょう。
■汎用CAD
汎用CADとは、何かの分野に特化したものではなく、様々な設計に必要とされる基本的機能が備わったCADソフトのことを指します。
対応する分野が幅広く、特定の分野に特化した機能が備わっていないため、比較的安価で導入が可能です。
簡単な図面の作成や編集を行う場合は、汎用CADで十分な作業が行えるでしょう。
■建築用CAD
建築用CADとは、建築設計に特化したCADソフトのことを指します。
建築分野における様々な設計を行う際に必要な、平面図から展開図、立断面図や設備図など、ありとあらゆる種類の設計図の作成が可能です。
建築用CADは建築図面の作成に必要な柱や梁、壁が容易に配置でき、図面同士の整合性が取りやすかったり、建築図面の作成に関する機能がたくさん備わっています。
平面図などの作成に使用される2DCADと立体的な作図に優れた3DCADの2種類があり、用途によって使い分ける必要があります。
■機械用CAD
機械用CADとは、機械の設計に特化したCADソフトのことを指します。
工場で使用される大型機器や飛行機といった規模の大きなものから、スマートフォンに代表される小型の精密機器まで様々な機器を設計する際に使用されます。
機器の設計には緻密さが求められますが、CADを使用して設計を行う事でより正確でスピーディーに作業を進めることができます。
機械用CADにも2DCADと3DCADがあるので、用途によって適宜使い分けていくことが必要となります。
■システムCAD
システムCADは、2Dの図面から3Dのパース図面までの一連の製図が可能なCADのことを指します。
システムCADの中には、住居の設計など特定の分野に特化したものもあります。
汎用CADなど他のCADよりも操作が容易ですが、3Dパースからデータ作成を行う機能も搭載されています。
■BIM
BIMは「Building Infomation Modeling」の頭文字を取ったもので、建築物を実際に建設する前の段階でコンピューター上に建物を構築するためのツールです。
実際の建築の前段階で立体モデルを構築することで、建築工程の中の無駄を省き、建築途中に発生が予想される諸問題を把握することが可能です。
BIMには高さや幅に加え、奥行きといったサイズを指定した建材パーツを入れこんだり、設備機器のメーカーだけではなく品番といった詳細な情報を入力することができます。
また、そのようなデータを建築現場のすべてのメンバーと共有することも可能で、データはすべて連動しているため、一ヵ所を修正すると、関連するすべての図面が自動修正されるのでとても便利です。
2D-CADと3D-CADの違いとは
CADには2D-CADと3D-CADのふたつがあり、両者の違いは以下の通りです。
■2D-CAD
正面図・平面図・側面図の3要素で構成されており、三角法で描かれた図面が元になっているため、使用するには三角法に関する知識が必須となります。
図面ごとにファイルを作成しなければならないため、ある程度工数がかかります。
■3D-CAD
仮想空間上に立体を構成するため、視覚的に認識しやすい図面を作成することが可能です。
また、体積や表面積といった幾何学情報を算出することもできます。
3DCADでは必要となる情報を都度ごとに2Dに切り出して使用するので、ファイル管理が容易で無駄な工数を削減できるというメリットもあります。
CADソフトを比較する際のポイント
ここまでは、様々なCADソフトの概要についてみていきました。
それでは最適なCADソフトを選ぶには、どのようなポイントを踏まえれば良いのでしょうか。
CADソフトのタイプが適しているかどうか
まずは現在携わっている業務に、どのCADソフトが適しているのかを調べましょう。
建築図面の作成に関しては、建築用CADソフトを用いることが最適ではありますが、基本的な図面作成とデータの共有を目的とするならば汎用CADでも支障はありません。
またCADソフトのタイプのみならず、2DCADと3DCADのどちらが業務に適しているかを判断することも大切です。
様々なCADソフトの長所と短所を見極め、最適なソフトを選びましょう。
必要な機能が備わっているか
同じCADソフトでも備わっている機能がそれぞれ違う事をご存じでしょうか。
フリーまたは低価格であることや使い易さのみを基準にしてCADソフトを選ぶと、本当に求める機能が備わっていないソフトを導入してしまう可能性があります。
そういった事態を防ぐためにも、CADソフトの導入前にどのような機能が必要なのかをしっかり分析しておくことが大切です。
サポート体制は充実しているか
使用しているCADソフトに不具合が発生すると、関係するすべての業務が停止してしまう危険性があります。
そういった場合に備えて、サポート体制が充実したCADソフトを選ぶことも重要となります。
その際に特に大切なのが、サポートの対応時間です。
平日の日中だけではなく、夜間や土日、祝日でも対応してくれるような手厚いサポートがあるソフトを使用することで、業務停止のリスクを避けることが可能です。
オプションで強力なサポート体制を付けることができる場合もあるので、できれば入っておくと良いでしょう。
導入や運用にかかる経費
CADソフトは買い切りのものもたくさんあります。
しかし基本料金が控えめでも、必要な機能を加えていくと価格が高額になることもよくあります。
購入前に総額でどの程度の金額がかかるのかを調べておくことも重要です。
PCのOSに対応しているものを選ぶ
CADソフトによっては、対応するOSが限られている場合もあります。
自身が使用しているPCのOSに対応したソフトを選ぶことも、忘れてはいけない大切な要素となります。
また、つい見落としてしまうのが使用しているOSのバージョンです。
古いバージョンでPCを利用している場合には、CADソフトが対応できないことも多くあります。
CADソフトの導入前にPCのOSのバージョンを最新にしておくようにしましょう。
おすすめのCADソフトランキング!
建築分野の業務に適したCADソフトには、どのようなものがあるのでしょうか。
続いては、おすすめのCADソフトをランキング形式でご紹介します。
1位 Jw-CAD
Jw_CADは高度な2Dの設計図面を作成するのに適した、建築設計に特化したCADソフトです。
殆どのCADソフトは有料ですが、Jw_CADはフリーで導入できるので世界中に多くのユーザーがいます。
操作が比較的容易であるということも、このソフトを導入するメリットの一つです。
CADをこれから使用していきたいと考えている方には、非常におすすめできるソフトです。
2位 FreeCAD
FreeCADは2Dと3Dがあり、両者間の連携ができるなど、多くの機能をフリーで使用できるCADツールです。
フリーのCADソフトの多くが商用で使用できないものが殆どという中、商用利用が可能であるというメリットがあります。
また技術者によって独自にカスタマイズが可能であるという点でも評価されています。
建築設計の分野でも、幅広く使用されているCADツールとなっています。
3位 Auto-CAD
AutoCADは世界中で最も多く使用されているCADソフトです。
最初に挙げた2つのCADソフトはフリーソフトですが、AutoCADは有料のソフトになります。
しかしサブスクリプションプランがあるので、予算に合わせてソフトを選ぶことが可能です。
3Dの作図やモデリングにも対応しているため、幅広い拡張性を備えています。
4位 Vector works
Vectorworksは、様々な建築物を設計し、デザインをするために使用されるCADソフトです。
AutoCADと並んで人気の高いCADソフトですが、Vectorworksの方がより操作が容易だといえるでしょう。
建築業者向けの「アーキテクト」や景観デザインに特化した「ランドマーク」など、空間デザインに優れたスタイルもあります。
WindowsにもMacにも対応できるという点もメリットだといえるでしょう。
5位 Revit
RevitはAutoCADと同じくAutodesk社によって提供されている、建築設計者向けのCADソフトです。
BIMに特化しており、資材や設備の登録ができるという点が非常に便利です。
実際の建設現場で作業を行う上で必要な情報をすべて盛り込めるので、業務効率を上げることが可能です。
6位 Fusion 360
Fusion 360もAutodesk社が提供しているCADソフトです。
学生や初心者に向けたフリーライセンスもあり、導入し易いという特徴があります。
しかし商用利用する場合はサブスクリプションの契約が必要なるので注意が必要です。
サブスクリプションを購入すれば3Dモデリングとそれに付随するすべての機能の利用が可能となり、クラウド上で操作するのでデータの共有が容易です。
自分に合ったCADソフトを選んでスキルアップしよう!
いかがでしょうか。
一口にCADソフトと言っても、様々な種類と特色を備えたものがあることがお分かり頂けたと思います。
是非自分に合ったCADソフトを選んで、スキルアップを目指してみてくださいね。