取得しやすく、役に立つ建築系資格とは?
建築・インテリア業界で働くなら、資格は必要?
建築やインテリア業界に関連する資格は、一級・二級建築士に代表される国家資格から、インテリアコーディネーターなどの民間資格まで様々なものがあります。
その中には実務経験がなくても取得できるものや、年齢制限や学歴不問で誰でも受験できる資格もあります。
今回は建築やインテリア業界で働く上で資格を持つメリットや持っていると役に立つ資格についてご紹介致します。
建築関係の資格を取得するメリットとは?
建築やインテリア業界で役に立つ資格をみていく前に、資格を取得するメリットについて考えてみましょう。
現在既に建築業界で働いている方も、異業種からの転職を考えている方も、資格を取得するメリットについて整理しておくことは非常に重要なポイントとなります。
メリット1:能力を証明することができる
建築やインテリアに関する資格を取得できたという事は、その分野について一定の見識があることの証明となります。
特に一級建築士や一級施工管理技士などの難関資格を取得できれば、建築物の設計段階や実際に施工を行う建築現場において責任ある役割を果たすことが可能となるでしょう。
メリット2:業務の幅を広げることができる
建設会社やインテリア関連会社においては社員が資格を取得することで、企業自体の業務範囲を拡大できる場合があります。
そういった点からも建築系資格を取得することは、本人だけでなく企業全体にとってもメリットとなるといえるでしょう。
建築業界では、精密さや安全性が非常に重視されるため、各資格ごとに携わることが可能な業務は厳密に定められています。
資格を取得することで、どのような業務に携わることができるのかを十分に調べておくことも大切です。
メリット3:給与をアップすることができる
資格を取得することで資格手当などの支給を受けられたり、昇給に繋がる場合も多くあります。
特に異業種からの転職を考えている方は、建築やインテリア関係の資格を取得してから転職活動を行うとスムーズな活動を行う事ができるでしょう。
また履歴書や職務経歴書を作成する際に経験や実績が乏しい場合も、資格を取得しておくと強みとなります。
メリット4:モチベーションの向上に繋がる
資格取得に向けた勉強をすることで、仕事に対するモチベーションが向上するというメリットもあります。
建築業界では多くの企業が社員の資格取得を推奨していますが、企業としては資格取得を通じて社員の意識の向上を狙っている場合もあります
建築業界で働きたい!役に立つ建築系資格とは?
建設やインテリア業界の関連資格で重要性が高いものとしては、一級建築士や一級施工管理技士などがあげられます。
しかしそういった資格は難関である上に実務経験が必要となるものも多く、取得は簡単ではありません。
そのため、まずは取得しやすく、実際の現場で役に立つ資格の取得を目指してみましょう。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターとは、住宅やオフィスの新築やリフォームを行う際に、適切な提言や助言を行う専門家です。
インテリアコーディネーター資格はインテリア産業協会によって認定される民間資格で、女性に人気の高い資格でもあります。
一般的にも知名度が高いインテリアコーディネーター資格ですが、受験資格に制限がなく実務経験や学歴も不問なため、チャレンジしやすい資格でもあります。
しかし資格試験が実施されるのは1年に1度で、過去5年間の1次・2次通しての合格率も平均23.8%と決して高くはなく、簡単に取得できる資格ではありません。
2021年度に実施された第39回の試験では、1次の学科試験の合格率は32.8%となっており、1次試験で7割近くが不合格となっています。
1次試験に合格すれば、翌年度以降3年間は1次試験の免除措置が取られます。
また2021年度の2次のプレゼンテーション・論文試験では、2021年度に1次試験に合格して2次試験の合格を目指す受験者2,725名と1次試験免除措置受験者1,226が受験し、2,334名が合格となっています。
このような結果からも、1次・2次試験を通して一発での合格を目指すのであれば、相応の対策と学習が必要になることがお分かり頂けるでしょう。
合格は簡単ではありませんが、インテリアコーディネーター資格試験に関しては様々な参考書が販売されているので、時間をかけて学習を進めることで資格所得が可能です。
特に業界未経験者の場合は、インテリアコーディネーター資格を取得してから転職活動に臨むと、良い結果に繋がりやすいです。
異業種からの転職を考えている場合は、必ず取得しておきたい資格の一つです。
【おススメ資格】インテリアコーディネーター資格とは?合格率や難易度を解説!
二級建築士
建築士とは、設計~工事監理までのすべての工程で建物の建築に関わる専門家を指します。
一級建築士は学歴や実務経験など受験資格が細かく定められている上に、合格率は10%前後と低水準であり、建築業界の最難関資格と言っても過言でもありません。
しかし二級建築士は受験資格も一級建築士程細かくなく、合格率も一級建築士ほど低くはありません。
二級建築士の資格を取得しておけば、建築士法により「木造建築物の場合で延べ面積が1000㎡までのもの」といったように限られた範囲ではありますが建物の設計に携わることが可能です。
二級建築士の受験資格は以下の通りです。
● 高等専門学校、高等学校、中等教育学校、大学、短期大学にて
・ 入学年が平成21年度以降:指定科目を修め、卒業した者
・ 入学年が平成20年度以前:建築又は土木の課程を修め、卒業した者
● 都道府県知事より、上記と同等以上の知識及び技能を持つと認められた者
● 建築設備士の資格を保持する者
● 7年以上の実務経験を持つ者
このように、誰もが受験できる資格ではありませんが、一級建築士資格に比べると受験資格は広く設定されています。
また二級建築士資格試験は、令和2年度より二つの点で大きく変更が加えられました。
変更点の一つ目は、実務経験なしで受験できる範囲が広がったことです。
令和元年までは、建築関係の最終学歴が「高等学校」や「中等教育学校」といった場合は、所定の実務経験年数を積んでからでしか二級建築士資格の受験資格は与えられませんでした。
しかし令和2年度より、免許登録を行う時までに実務経験を積めば良いという内容に変更されました。
そして変更点の二つ目は、学科試験の免除期間が長くなったことがあげられます。
令和元年までは学科試験の免除期間は3年間でしたが、令和2年度からは5年間に延長となりました。
未経験者でも7年間の実務経験を経た後に受験資格が与えられるので、キャリアを重ねながら二級建築士資格の取得を目指すのも良いでしょう。
二級施工管理技士
建築関連資格の中でも、近年注目度が高まってきているのが施工管理技士資格です。
施工管理職は、実際の建設現場で指揮を取り、監督を行うのが主な仕事となります。
建築系の施工管理職に興味がある場合は、建築施工管理技士の資格を所持しておくと就職活動において非常に役立ちます。
施工管理の業務自体は、特段資格を有していなくても行う事が可能です。
しかし無資格者の場合、実際の建設現場では有資格者のサポート的な役割を担う事になります。
建設現場の総責任者となるには、建築施工管理技士の資格を保持していることが重要となるでしょう。
建築施工管理技士の資格は1級と2級に分かれており、2級建築施工管理技士は実務経験が1年以上あれば誰でも受験が可能です。
2級建築施工管理技士の資格を取得することで、中規模工事の現場監督として勤務することができるようになります。
無資格の施工管理者よりも質の高い業務に携わることができるため、スキルアップに繋がります。
建築設備士
建築設備士とは、建築設備(給排水衛生、電気、空調、換気等)全般に関する知識や技能を持った専門職です。
建築設備士は国土交通大臣により認定される国家資格であり、建築士や設計士に対して、より高度で複雑な建築設備の設計や工事監理に関する助言を行うことが可能です。
建築士が建築設備士から助言を受けて建築設備に関わる設計や工事監理を行うと、建築確認申請書にその旨を記載しておく義務が課せられます。
さらに、建築士事務所の主催者が施主から設計の依頼を受けた際には、施主に交付すべき書面に業務に携わる建築設備士の氏名を記入する義務があります。
現在は建築物の安全性への関心が高まっており、建築設備士の需要も伸びていきています。
建築設備士の受験資格に関しては、以下の要件を満たすことが求められています。
● 大学で建築・土木関係の学部を卒業し、2年以上の実務経験がある者
● 短大、高等専門学校、旧専門学校で建築・土木関係の学部を卒業し、4年以上の実務経験がある者
● 高等学校、旧中等学校で建築・土木を専門的に学んだ後、6年以上の実務経験がある者
● 9年以上の実務経験を持つ者
他にも受験資格には細かな規定がありますが、学校で学んだ後に実務経験を積み、資格を取得する、という流れが一般的だと言えます。
未経験者の場合は9年以上の実務経験を積む事で受験資格が与えられるため、未経験で建築・インテリア業界に就職した後にキャリアアップの一環として建築設備士の資格取得を目指してみるのも良いでしょう。
キャリアアップのため、積極的に資格を取得しよう
いかがでしょうか?
今回は建築業界の資格の中でも比較的取得しやすく、役に立つ資格ついてご紹介しました。
ぜひ自分に合った資格を取得して、キャリアアップに繋げてくださいね。